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(1)「94%の顧客が大満足といってくれる私の究極のサービス」
“HUG YOUR CUSTOMERS”
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今回はアメリカにある洋服の販売店さんのジャック・ミッチェルさんという
社長さんの話です。
こちらはもの凄く顧客満足度が高いそうです。
「洋服の販売店さん」といっても、その内容は半端ではありません。
●コネチカット州でミッチェルズとリチャーズという店を営んでいる。
●1958年にジャック・ミッチェルさんの父親が開業して、良質な衣料を
扱って順調に業績を伸ばした。
●現在の売上高は2店舗あわせて6500万ドル(1ドル=100円で65億円!)
を超える。
●年に2万ドル、10万ドル使うお客さんがいる。なかには25万ドル使う
お客さんもいる。(衣料品だけで!)
●1年に100万ドル(1億円)を売り上げるスタッフが20人以上いる。
●200万ドル以上の売り上げを記録したスタッフは5人。
300万ドルというとてつもない金額を売り上げるスタッフもいる。
●お店があるのは人口わずか2万800人の町。
●ニューヨークのグランドセントラル駅から電車で1時間たらずの町。
●アメリカで高級衣料品を扱う同規模の店としては、もっとも成功したと
言われる。
●顧客には名だたる企業の社長、会長、企業オーナー、CFO(最高財務責任者)、
経営幹部、起業家が名を連ねている。
●例えば、GE、IBM、JPモルガン・チュース、ジレット、メリルリンチ、
リーマンブラザーズ、アメリカン・スカンディア・ゼロックス。
●CEOや社長だけでも500名以上、さらに彼らの部下が男女あわせて
何千人と店の顧客になっている。
●映画界やスポーツ界のスターも大勢お客さんになっている。
ホームページのお店の紹介にある“50 Years of Hugs”というビデオを見ると、
本当にスタッフ全員が楽しそうに働いている感じがします。
(プロローグ-私だけが実行していること)
扱う商品がちがっても、―マカロニ、飛行機のエンジン、カーペット、
株と債券、保険、おもちゃでも―ミッチェルズの経営哲学はきっと
通用することと思います。
お客さま相手の商売という点では変わらないからです。
私たちは長年売り場に立って服を売ってきました。
その経験から独自の哲学が生まれたのです。
いまでも私は首からメジャーを垂らして売り場に立ち、お客さまの採寸を
したり相談にのったりしています。
ミッチェルズの経営哲学は私が一人でつくりあげたものではなく、
ミッチェル家のメンバーがそれぞれつちかってきた経営哲学の集大成とでも
呼べるものです。
3世代の知恵と工夫が集まって出来上がったものが、この本でご紹介する
ミッチェルズの経営哲学です。
お客さまとは末長くおつきあいする、お客様は大切な友人である、
それが私たちのモットーです。
“お得意様はかけがえのない友人”なのです。
店が存続するかぎり、これは絶対に変わりません。
お客様は交流を求めています。
大切にされることを望み、私たちの笑顔と礼状を心からよろこんで
くださいます。
また、多くの有能な販売スタッフが私たちの店に魅力を感じて
あつまってきます。
お客さまの信頼を獲得すれば、売上が伸びて利益も増え、会社は
ますます繁盛します。
毎日、職場にゆくのが楽しみになり、もっともっと仕事を楽しみたいと
思えてくるのです。
おかげさまでミッチェルズはたいへん繁盛しています。
商売成功のカギは人間関係、などということはだれもが
百も承知でしょう。
ただ、その糸口をみつけるのがむずかしい。
<ハグ>を実行すればにっちもさっちも行かなくなった状況に風穴を
あけてくれるはずです。
(サービス達人への道 1)
□つねに情熱をもってお客様に接し、信頼関係を結び、末長い
お付き合いをする。
お客さまは大切な友人と同じである。
会って、話をきき、相手への気づかいを忘れないこと。
□お客さまを満足させるだけでは足りない。
これからのビジネスには、お客さまには単なる満足ではなく、究極の満足を
与えることが求められる。
□お客さまを中心につくられた組織がハグの達人を育む。
役職のちがいにかかわらず、すべての社員がお客さまを宇宙の中心と考え、
最優先する。
一部の社員だけがお客さまをハグし商品を売るのではない。
組織の全員が実践する。
□お客さまをハグするとは、お客さまの期待をうわまわる感動を与えて
差し上げること
つねに感動を与えようと心掛けていれば、あらゆる形でお客さまをハグする
ことができる。
笑顔、ハイタッチ、超特急のサービス、ときには3セントの切手を送ることも
ハグのひとつ。
□全員が売り場に立つ。
基本中の基本。
一人ひとりが自分の目でお客さまを見て、お客さまにじかに触れ、
実際のお客さまを知ることが大切。
□自宅に招いたつもりで接客する。
お客さまに呼び掛けるときはファーストネームで。
売り場にはコーヒーとスナックを用意し、子どもたちが退屈しないための
工夫も怠らない。
□お客さまをよく知る。
お客さまについての情報をできるだけあつめ、お客さまのことをよく理解する。
たとえばお客様のペットがオウムなら、そのオウムの名前も頭に入れておく。
お客様の言葉に耳を傾け、お客様のことを学ぶ。
それがお客様をハグするための第一歩である。
□他の業種ではあたりまえに行われているサービスを先頭に立って取り入れる。
業界初のサービスを受ければ、お客さまは特別待遇を受けたような気分を味わう。
□型にはまった思考を捨てる。
冒険を恐れずに行動する。
組織の一人ひとりが独創的な思考をしながらハグを実践する。
そうすればライバルをよせつけずにすむ。
□お客様へのハグは、お客さまからのハグとなって返ってくる。
的確なハグを重ねてゆけば、お客様と心が通い合い信頼が得られる。
お客様からのハグはその証である。
(サービス達人への道 2)
□人を好きになる。
人嫌いなオーナーには人をハグするような組織は作れない。
事業にはオーナーの性格が色濃く反映される。
□立地がすべてではない。
お客さまをハグする企業文化を育てれば、町で最高の立地を手に
入れる必要も、おびただしい数の在庫を用意することも必要ない。
大切なのは、サービスに徹することである。
□拡大するときの3原則
事業の拡大とともに経営にかかわる人間に責任と権限を与える。
官僚主義的な組織にならないように気を配る。
事業の基礎となる方針を守り続ける。
□ナンバーワンとのパイプをつくる
企業のトップが顧客になれば部下もついてくる。
それがナンバーワンの威力である。
□困難があってもハグで乗り切る。
どんな事業にも低迷期はある。
しかし、お客さまに気付かれる部分は絶対にきりつめてはならない。
□家族経営の事業では、事業の問題と親族の問題をはっきりとわける。
事業と家族の都合のどちらを優先させるのかをはっきりと決めておく。
わが社の場合は事業優先とし、一族の者が新しく事業に参加する際は、
つぎの2つの方針に従う。
(1)5年間よそで働く
(2)能力をいかせる仕事がある場合のみ、事業に加わることが許される。
経営と独立した経営諮問委員会および家族会議を設けることも考えよう。
□事業を成長させる早道はマーケットの領域を広げることである。
現在の顧客に対し、より上質のサービスを提供することにつとめる。
成功すれば顧客一人ひとりのウクロゼット・棚・ガレージの占有率を高める
ことができる。
(サービス達人への道 3)
□1番が人材、2番がサービス、3番が商品
商品よりも大事なもの、それはサービスである。
そしてサービスよりも大切なのは、店で働いてくれるスタッフである。
サービスの担い手がいなくてはサービスは存在しない。
□有能なスタッフに必要な4つの資質
“競争心があり自信に満ちている”“前向きな態度である”“人の言葉に
耳を傾け、学び、成長する情熱を抱き”最善を尽くす。
そして一貫して“誠実である”こと。
□スタッフに権限を与えるだけではなく、才覚を発揮させる。
ビジネスとして許される範囲内で最大限の裁量権を与える。
それが最高のハグにつながる。
ただしスタッフが迷ったとき、あるいはいま以上のレベルをめざすときには
助言や指導を惜しんではならない。
□協調と競争
スタッフ一人ひとりが互いに信頼し合い、前向きな態度で協力できる
体制をつくる。
その体制が整っていないと組織そのものがうまく機能しない。
□訓練ではなく教育を
スタッフには、“お客さまを最優先に考える”“思いやりをもってお客さまに
接する”“常識を忘れない”“お客さまのことをくわしく知る”
“3つのE-活力、情熱、実行力―を忘れずに最高のパフォーマンスをする”
ことを教える。
□スタッフを気づかう
スタッフを大事にすればスタッフはお客さまをハグするようになる。
スタッフにはじゅうぶんな報酬を支払い、プライベートを尊重し、
一人ひとりのツボを押さえた方法で報いる。
(サービス達人への道 4)
□ITはハグには役立たなくては意味がない
顧客を理解し顧客のニーズをつかむことを目的としたコンピュータシステムを
デザインすれば、“できる”企業を支える強力な助っ人となる。
少々の出費は覚悟しても、事業を営む人間が主体的に使いこなせるシステムを
開発する。
まちがっても事業を“システムに合わせる”ようなことがあってはならない。
□顧客を最優先にする
多くの企業のシステムは在庫状況やお金のうごきを追うことに主眼が
置かれている。
その結果、顧客データは軽視されている。
より効果的な販売を行うためには顧客の情報を最優先し、顧客が購入した
アイテム1つひとつに至るまで把握し、顧客自信についての理解を深める。
蓄積された顧客情報は神聖なものである。
漏えいしたり売り渡したりしてはならない。
それは顧客との信頼関係を踏みにじる行為である。
□データを活用する
データを収集する企業は多いが、有効に活用している企業は少ない。
データを活用すれば顧客のニーズを先取りできる。
またスタッフ一人ひとりのくわしい販売状況を把握できる。
□ITを利用すれば在庫管理がスムーズにゆく
在庫が多すぎても少なすぎても不都合が生じる。
ITを利用すれば最適な在庫をキープすることができる。
□ピラミッドをのぼる
ピラミッドの頂上部付近つまり購入金額の大きなお客さまに手厚いサービスを
怠らないのは当然だが、ピラミッドの基礎部分にもつねに気配りを怠らないこと。
□1対1のマーケティング
ITを利用すれば顧客一人ひとりにむけたマーケティング、1対1という
単位での売り込みが可能となる。
その結果、マーケティングを通じて顧客との人間関係を深めることができる。
□手紙を書く
ITを利用すればお客さま一人ひとりにむけた手紙を送り、より深い
信頼関係を築くことができる。
(サービス達人への道 5)
□商いはゲームのようなもの、勝者になることもあれば敗者になることもある。
かき入れどき(私たちの場合は土曜日)は、“勝負の日”ととらえる。
より一層準備に念を入れ、力を出し切る。
□3つのP
勝つとは利益を出すこと。
そのためには、ゲームの前にプランを立て(plan)、準備して(prepare)、
練習する(practice)。
最新の顧客情報を載せた“作戦手帳”を作成し、スタッフは“作戦手帳”を
利用して結果を出す。
□全員がフィールドに出る。
“勝負の日”には全員が通常業務を離れ、接客と販売に専念する。
□フィールドを整備する。
勝負の舞台となるフィールドは美しく、しかもお客さまにとって便利で
あることが鉄則。
□鑑になる。
地域社会のニーズを反映した商品とサービスを提供する。
価値観を押し付けてはならない。
□相手の陣地を訪問する。
最高の商品を仕入れるためには、取引先の本拠地までじかに相手に
会いに行く。
□決め技を過不足無く実行して勝つ。
どんなに優れた技でも2つだけでは少なすぎる。
が、100では多すぎて身に付かない。
優れたプレーを10あるいは20実行すれば勝てる。
□あくまでも首尾一貫した行動を取る。
信頼を得るための基本。
□地元に貢献する。
顧客の大部分は地域の住民であるということを忘れずに。
□現状を知る。
自分の現状を知らなくては勝てない。
売り上げ、その内訳など最新の数字はスタッフ全員が閲覧できるような
システムにする。
(サービス達人への道 6)
□ハグの実践は財務面にプラスにはたらく。
最高の販売スタッフと彼らを支えるスタッフがあつまってくる。
昔ながらの手法のマーケティングを実行すれば費用が低く抑えられ
粗利が膨らむ。
売上は長期にわたって安定する。
不動産にかかる費用を節約できる。
□定理をつくる。
ハグすることと金儲けは矛盾しないことをだれもが理解できるように、
財務のしくみと財務の基本方針を見直し、指針をはっきりさせる。
この支出はお客さまの気持ちに届くかどうかを唯一の判断基準と
することが基本。
□現金に勝るものなし。
業績の良いときにもこの信念を貫けば、業績が低迷してもそれをしのぎ、
事業に再投資することができる。
□何があっても清廉潔白を貫き通す。
とくに財務面では決して妥協してはならない。
いまの時代、なによりも大切なことである。
(サービス達人への道 7)
□失敗は忌まわしいものではなく、チャンスであり挑戦である。
失敗からドラマが生まれる。
失敗しても挽回すればよい。
顧客の記憶に痛烈に残るのは、挽回策のほうである。
□失敗を挽回するための5つのステップに従う。
失敗を認識し、非・責任を認め、謝罪し、対策を講じ、顧客をハグする。
□個人を責めない。
失敗した当人を責めない。
それよりも同じ失敗を二度と繰り返さないためにはどうしたらいいのかを
考え、だれもが満足する結論を出す。
□同じ失敗をくり返さない。
同じ失敗は許されない。
一度目の失敗で万全の対策を講じること。
顧客には不快な思いを二度は与えない。
□うまくいかなければ、やめる。
ときには事業そのものの中止が最良の選択となる。
□顧客に問題を指摘してもらう。
率直に相手にたずね、指摘された点は謙虚に受け入れて努力する。
(サービス達人への道 8)
□つねに新しい何かを
定番商品や定番のサービスだけでは顧客をひきつけるには不十分。
顧客は新しさという刺激を求めている。
毎度おなじみのハグを繰り返しているだけでは飽きられてしまう。
□経験にとらわれない
きまりきったやり方に安住せず、思い切って新しい一歩を踏み出してみる。
枠組みの中でうごきながらも、枠を取り払って考えてみる。
□最高のアイデアをひとり占めしない。
競合関係になり同業者であつまり、新しいアイデアを交換すれば、
ともに成功をおさめることができる。
□ハードルを上げる。
1年ごとにハードルを上げてゆかなければビジネスの未来はない。
(今日の10点は来年には8点に目減りする)
ハードルを上げる時には会社レベルで、実行するときにはスタッフ一人ひとりの
ペースで。
「94%の顧客が大満足といってくれる私の究極のサービス」
“HUG YOUR CUSTOMERS”
ジャック・ミッチェル
日本経済新聞社
http://mitchellstores.com/site/
(1)「94%の顧客が大満足といってくれる私の究極のサービス」
“HUG YOUR CUSTOMERS”
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今回はアメリカにある洋服の販売店さんのジャック・ミッチェルさんという
社長さんの話です。
こちらはもの凄く顧客満足度が高いそうです。
「洋服の販売店さん」といっても、その内容は半端ではありません。
●コネチカット州でミッチェルズとリチャーズという店を営んでいる。
●1958年にジャック・ミッチェルさんの父親が開業して、良質な衣料を
扱って順調に業績を伸ばした。
●現在の売上高は2店舗あわせて6500万ドル(1ドル=100円で65億円!)
を超える。
●年に2万ドル、10万ドル使うお客さんがいる。なかには25万ドル使う
お客さんもいる。(衣料品だけで!)
●1年に100万ドル(1億円)を売り上げるスタッフが20人以上いる。
●200万ドル以上の売り上げを記録したスタッフは5人。
300万ドルというとてつもない金額を売り上げるスタッフもいる。
●お店があるのは人口わずか2万800人の町。
●ニューヨークのグランドセントラル駅から電車で1時間たらずの町。
●アメリカで高級衣料品を扱う同規模の店としては、もっとも成功したと
言われる。
●顧客には名だたる企業の社長、会長、企業オーナー、CFO(最高財務責任者)、
経営幹部、起業家が名を連ねている。
●例えば、GE、IBM、JPモルガン・チュース、ジレット、メリルリンチ、
リーマンブラザーズ、アメリカン・スカンディア・ゼロックス。
●CEOや社長だけでも500名以上、さらに彼らの部下が男女あわせて
何千人と店の顧客になっている。
●映画界やスポーツ界のスターも大勢お客さんになっている。
ホームページのお店の紹介にある“50 Years of Hugs”というビデオを見ると、
本当にスタッフ全員が楽しそうに働いている感じがします。
(プロローグ-私だけが実行していること)
扱う商品がちがっても、―マカロニ、飛行機のエンジン、カーペット、
株と債券、保険、おもちゃでも―ミッチェルズの経営哲学はきっと
通用することと思います。
お客さま相手の商売という点では変わらないからです。
私たちは長年売り場に立って服を売ってきました。
その経験から独自の哲学が生まれたのです。
いまでも私は首からメジャーを垂らして売り場に立ち、お客さまの採寸を
したり相談にのったりしています。
ミッチェルズの経営哲学は私が一人でつくりあげたものではなく、
ミッチェル家のメンバーがそれぞれつちかってきた経営哲学の集大成とでも
呼べるものです。
3世代の知恵と工夫が集まって出来上がったものが、この本でご紹介する
ミッチェルズの経営哲学です。
お客さまとは末長くおつきあいする、お客様は大切な友人である、
それが私たちのモットーです。
“お得意様はかけがえのない友人”なのです。
店が存続するかぎり、これは絶対に変わりません。
お客様は交流を求めています。
大切にされることを望み、私たちの笑顔と礼状を心からよろこんで
くださいます。
また、多くの有能な販売スタッフが私たちの店に魅力を感じて
あつまってきます。
お客さまの信頼を獲得すれば、売上が伸びて利益も増え、会社は
ますます繁盛します。
毎日、職場にゆくのが楽しみになり、もっともっと仕事を楽しみたいと
思えてくるのです。
おかげさまでミッチェルズはたいへん繁盛しています。
商売成功のカギは人間関係、などということはだれもが
百も承知でしょう。
ただ、その糸口をみつけるのがむずかしい。
<ハグ>を実行すればにっちもさっちも行かなくなった状況に風穴を
あけてくれるはずです。
(サービス達人への道 1)
□つねに情熱をもってお客様に接し、信頼関係を結び、末長い
お付き合いをする。
お客さまは大切な友人と同じである。
会って、話をきき、相手への気づかいを忘れないこと。
□お客さまを満足させるだけでは足りない。
これからのビジネスには、お客さまには単なる満足ではなく、究極の満足を
与えることが求められる。
□お客さまを中心につくられた組織がハグの達人を育む。
役職のちがいにかかわらず、すべての社員がお客さまを宇宙の中心と考え、
最優先する。
一部の社員だけがお客さまをハグし商品を売るのではない。
組織の全員が実践する。
□お客さまをハグするとは、お客さまの期待をうわまわる感動を与えて
差し上げること
つねに感動を与えようと心掛けていれば、あらゆる形でお客さまをハグする
ことができる。
笑顔、ハイタッチ、超特急のサービス、ときには3セントの切手を送ることも
ハグのひとつ。
□全員が売り場に立つ。
基本中の基本。
一人ひとりが自分の目でお客さまを見て、お客さまにじかに触れ、
実際のお客さまを知ることが大切。
□自宅に招いたつもりで接客する。
お客さまに呼び掛けるときはファーストネームで。
売り場にはコーヒーとスナックを用意し、子どもたちが退屈しないための
工夫も怠らない。
□お客さまをよく知る。
お客さまについての情報をできるだけあつめ、お客さまのことをよく理解する。
たとえばお客様のペットがオウムなら、そのオウムの名前も頭に入れておく。
お客様の言葉に耳を傾け、お客様のことを学ぶ。
それがお客様をハグするための第一歩である。
□他の業種ではあたりまえに行われているサービスを先頭に立って取り入れる。
業界初のサービスを受ければ、お客さまは特別待遇を受けたような気分を味わう。
□型にはまった思考を捨てる。
冒険を恐れずに行動する。
組織の一人ひとりが独創的な思考をしながらハグを実践する。
そうすればライバルをよせつけずにすむ。
□お客様へのハグは、お客さまからのハグとなって返ってくる。
的確なハグを重ねてゆけば、お客様と心が通い合い信頼が得られる。
お客様からのハグはその証である。
(サービス達人への道 2)
□人を好きになる。
人嫌いなオーナーには人をハグするような組織は作れない。
事業にはオーナーの性格が色濃く反映される。
□立地がすべてではない。
お客さまをハグする企業文化を育てれば、町で最高の立地を手に
入れる必要も、おびただしい数の在庫を用意することも必要ない。
大切なのは、サービスに徹することである。
□拡大するときの3原則
事業の拡大とともに経営にかかわる人間に責任と権限を与える。
官僚主義的な組織にならないように気を配る。
事業の基礎となる方針を守り続ける。
□ナンバーワンとのパイプをつくる
企業のトップが顧客になれば部下もついてくる。
それがナンバーワンの威力である。
□困難があってもハグで乗り切る。
どんな事業にも低迷期はある。
しかし、お客さまに気付かれる部分は絶対にきりつめてはならない。
□家族経営の事業では、事業の問題と親族の問題をはっきりとわける。
事業と家族の都合のどちらを優先させるのかをはっきりと決めておく。
わが社の場合は事業優先とし、一族の者が新しく事業に参加する際は、
つぎの2つの方針に従う。
(1)5年間よそで働く
(2)能力をいかせる仕事がある場合のみ、事業に加わることが許される。
経営と独立した経営諮問委員会および家族会議を設けることも考えよう。
□事業を成長させる早道はマーケットの領域を広げることである。
現在の顧客に対し、より上質のサービスを提供することにつとめる。
成功すれば顧客一人ひとりのウクロゼット・棚・ガレージの占有率を高める
ことができる。
(サービス達人への道 3)
□1番が人材、2番がサービス、3番が商品
商品よりも大事なもの、それはサービスである。
そしてサービスよりも大切なのは、店で働いてくれるスタッフである。
サービスの担い手がいなくてはサービスは存在しない。
□有能なスタッフに必要な4つの資質
“競争心があり自信に満ちている”“前向きな態度である”“人の言葉に
耳を傾け、学び、成長する情熱を抱き”最善を尽くす。
そして一貫して“誠実である”こと。
□スタッフに権限を与えるだけではなく、才覚を発揮させる。
ビジネスとして許される範囲内で最大限の裁量権を与える。
それが最高のハグにつながる。
ただしスタッフが迷ったとき、あるいはいま以上のレベルをめざすときには
助言や指導を惜しんではならない。
□協調と競争
スタッフ一人ひとりが互いに信頼し合い、前向きな態度で協力できる
体制をつくる。
その体制が整っていないと組織そのものがうまく機能しない。
□訓練ではなく教育を
スタッフには、“お客さまを最優先に考える”“思いやりをもってお客さまに
接する”“常識を忘れない”“お客さまのことをくわしく知る”
“3つのE-活力、情熱、実行力―を忘れずに最高のパフォーマンスをする”
ことを教える。
□スタッフを気づかう
スタッフを大事にすればスタッフはお客さまをハグするようになる。
スタッフにはじゅうぶんな報酬を支払い、プライベートを尊重し、
一人ひとりのツボを押さえた方法で報いる。
(サービス達人への道 4)
□ITはハグには役立たなくては意味がない
顧客を理解し顧客のニーズをつかむことを目的としたコンピュータシステムを
デザインすれば、“できる”企業を支える強力な助っ人となる。
少々の出費は覚悟しても、事業を営む人間が主体的に使いこなせるシステムを
開発する。
まちがっても事業を“システムに合わせる”ようなことがあってはならない。
□顧客を最優先にする
多くの企業のシステムは在庫状況やお金のうごきを追うことに主眼が
置かれている。
その結果、顧客データは軽視されている。
より効果的な販売を行うためには顧客の情報を最優先し、顧客が購入した
アイテム1つひとつに至るまで把握し、顧客自信についての理解を深める。
蓄積された顧客情報は神聖なものである。
漏えいしたり売り渡したりしてはならない。
それは顧客との信頼関係を踏みにじる行為である。
□データを活用する
データを収集する企業は多いが、有効に活用している企業は少ない。
データを活用すれば顧客のニーズを先取りできる。
またスタッフ一人ひとりのくわしい販売状況を把握できる。
□ITを利用すれば在庫管理がスムーズにゆく
在庫が多すぎても少なすぎても不都合が生じる。
ITを利用すれば最適な在庫をキープすることができる。
□ピラミッドをのぼる
ピラミッドの頂上部付近つまり購入金額の大きなお客さまに手厚いサービスを
怠らないのは当然だが、ピラミッドの基礎部分にもつねに気配りを怠らないこと。
□1対1のマーケティング
ITを利用すれば顧客一人ひとりにむけたマーケティング、1対1という
単位での売り込みが可能となる。
その結果、マーケティングを通じて顧客との人間関係を深めることができる。
□手紙を書く
ITを利用すればお客さま一人ひとりにむけた手紙を送り、より深い
信頼関係を築くことができる。
(サービス達人への道 5)
□商いはゲームのようなもの、勝者になることもあれば敗者になることもある。
かき入れどき(私たちの場合は土曜日)は、“勝負の日”ととらえる。
より一層準備に念を入れ、力を出し切る。
□3つのP
勝つとは利益を出すこと。
そのためには、ゲームの前にプランを立て(plan)、準備して(prepare)、
練習する(practice)。
最新の顧客情報を載せた“作戦手帳”を作成し、スタッフは“作戦手帳”を
利用して結果を出す。
□全員がフィールドに出る。
“勝負の日”には全員が通常業務を離れ、接客と販売に専念する。
□フィールドを整備する。
勝負の舞台となるフィールドは美しく、しかもお客さまにとって便利で
あることが鉄則。
□鑑になる。
地域社会のニーズを反映した商品とサービスを提供する。
価値観を押し付けてはならない。
□相手の陣地を訪問する。
最高の商品を仕入れるためには、取引先の本拠地までじかに相手に
会いに行く。
□決め技を過不足無く実行して勝つ。
どんなに優れた技でも2つだけでは少なすぎる。
が、100では多すぎて身に付かない。
優れたプレーを10あるいは20実行すれば勝てる。
□あくまでも首尾一貫した行動を取る。
信頼を得るための基本。
□地元に貢献する。
顧客の大部分は地域の住民であるということを忘れずに。
□現状を知る。
自分の現状を知らなくては勝てない。
売り上げ、その内訳など最新の数字はスタッフ全員が閲覧できるような
システムにする。
(サービス達人への道 6)
□ハグの実践は財務面にプラスにはたらく。
最高の販売スタッフと彼らを支えるスタッフがあつまってくる。
昔ながらの手法のマーケティングを実行すれば費用が低く抑えられ
粗利が膨らむ。
売上は長期にわたって安定する。
不動産にかかる費用を節約できる。
□定理をつくる。
ハグすることと金儲けは矛盾しないことをだれもが理解できるように、
財務のしくみと財務の基本方針を見直し、指針をはっきりさせる。
この支出はお客さまの気持ちに届くかどうかを唯一の判断基準と
することが基本。
□現金に勝るものなし。
業績の良いときにもこの信念を貫けば、業績が低迷してもそれをしのぎ、
事業に再投資することができる。
□何があっても清廉潔白を貫き通す。
とくに財務面では決して妥協してはならない。
いまの時代、なによりも大切なことである。
(サービス達人への道 7)
□失敗は忌まわしいものではなく、チャンスであり挑戦である。
失敗からドラマが生まれる。
失敗しても挽回すればよい。
顧客の記憶に痛烈に残るのは、挽回策のほうである。
□失敗を挽回するための5つのステップに従う。
失敗を認識し、非・責任を認め、謝罪し、対策を講じ、顧客をハグする。
□個人を責めない。
失敗した当人を責めない。
それよりも同じ失敗を二度と繰り返さないためにはどうしたらいいのかを
考え、だれもが満足する結論を出す。
□同じ失敗をくり返さない。
同じ失敗は許されない。
一度目の失敗で万全の対策を講じること。
顧客には不快な思いを二度は与えない。
□うまくいかなければ、やめる。
ときには事業そのものの中止が最良の選択となる。
□顧客に問題を指摘してもらう。
率直に相手にたずね、指摘された点は謙虚に受け入れて努力する。
(サービス達人への道 8)
□つねに新しい何かを
定番商品や定番のサービスだけでは顧客をひきつけるには不十分。
顧客は新しさという刺激を求めている。
毎度おなじみのハグを繰り返しているだけでは飽きられてしまう。
□経験にとらわれない
きまりきったやり方に安住せず、思い切って新しい一歩を踏み出してみる。
枠組みの中でうごきながらも、枠を取り払って考えてみる。
□最高のアイデアをひとり占めしない。
競合関係になり同業者であつまり、新しいアイデアを交換すれば、
ともに成功をおさめることができる。
□ハードルを上げる。
1年ごとにハードルを上げてゆかなければビジネスの未来はない。
(今日の10点は来年には8点に目減りする)
ハードルを上げる時には会社レベルで、実行するときにはスタッフ一人ひとりの
ペースで。
「94%の顧客が大満足といってくれる私の究極のサービス」
“HUG YOUR CUSTOMERS”
ジャック・ミッチェル
日本経済新聞社
http://mitchellstores.com/site/
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